絶望心中。

*俺がガンダムだ*

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溶ける。
名付けるなら、それは恋の病。


【シンク】


チャイム音が、俺を絶望へ叩き落すのを嘲笑う声に聴こえた。
幻聴 幻覚 妄想。
震えた手。ドアを開けれない。
「いらっしゃい」が紡げない唇。
玄関前で立ちすくむ、自分。
もう一度鳴り響いたチャイムに急かされるように俺は扉にやっと手をかけた。
ギィ、と重い音。
見たくて、見たくなかった顔が見える。

「さな、だ…」

ぐらり、頭が揺れる錯覚。
頭を抱える。重症だ。
真田が大丈夫か、と駆け寄ってくる。
来ないでくれ!
叫びたかった。けど、声が出ない。
ひゅう、と喉から乾いた音がしたのが、最後。
ぐらぐら、地震のようだった。
ふわり、浮いて。沈んで。
おち、た。

目覚めた場所は見慣れない白。
真っ白なそこ。無駄に広い。
そして横には。

「真田…」

心苦しそうな顔の真田。
ああ、俺は倒れたのか。
真田の前で。それで、此処は病院の一室。
きっと真田は驚いただろう。目の前で倒れられたのだから。

「すまない、迷惑をかけて」

そう言えば真田は首を横に振って「構わない」と言った。
今は何も考えたくなくて、俺は真田にニコリ、と微笑んでから枕へ顔を埋めた。
微かに薬品の匂いがして、此処が病院だということを強調していた。
真田はしばらくしたら「お大事に、」と声をかけて部屋から出て行った。

望むなら、このまま白に溶けてしまいたくて。
ドロリ、と溶けて、消えて。
そうしたら、真田は少しは俺を見てくれるだろうか。

痛い白に、俺は意識を飛ばした。


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誰も届かない夢の中で溺れて。

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